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「天地人コンパス 宇宙水道局」を進化 - 水道インフラの耐震化や水道DXの支援と、宇宙ビッグデータ×AIのさらなる活用

 

JAXA認定の宇宙ベンチャー 株式会社天地人(東京都中央区 代表取締役 櫻庭康人)が提供している水道DXサービス「天地人コンパス 宇宙水道局」に大幅な機能追加を行うことをお知らせいたします。従来から提供してきた漏水リスクの診断機能並びに点検や修理などの記録管理を支援する機能に加えて、新機能として、地域特性に応じた水道管の管路の更新計画の策定を支援する機能と地域のユーザーニーズに特化した宇宙ビッグデータ活用機能を追加します。2025年春より順次展開する予定です。本機能は、政府による新たな「水循環基本計画」の閣議決定や、全国の上下水道緊急点検の方針に沿った機能追加となります。水道インフラの耐震化や水道DXの支援を行うことで、持続可能な水道インフラの実現に貢献します。

 

持続可能な水道インフラを支える「天地人コンパス 宇宙水道局」

「天地人コンパス 宇宙水道局」は、衛星データとAI技術を活用して水道インフラの課題解決に取り組み、持続可能な水道事業の実現を支援することを掲げています。


2023年のサービス提供開始から1年半で、20を超える自治体様に採用いただいています(2024年11月現在)。これまで分析した管路の総延長距離は地球2周分にあたる約80,000キロメートル、学習した漏水件数は56,000件を超え、水道管の漏水リスク(逆に見れば健全度)を分析する弊社の独自AIは着実に進化を遂げています。

 

技術力の高さと導入ハードルの低さが評価され、厚生労働省、国土交通省、総務省などの各省庁が実施する「第7回インフラメンテナンス大賞」では厚生労働大臣賞を受賞しました。

 

水道インフラを取り巻く社会課題

2024年1月1日に発生した能登半島地震から間もなく1年が経過しようとしています。この震災では水道管の被害により最大約14万戸が断水し、被災された方々は長期にわたる生活への影響を受けられました。上下水道システムの「急所施設」(その施設が機能を失えばシステム全体が機能を失う最重要施設)や避難所などの重要施設に接続する水道・下水道の管路等について、耐震化の重要性が改めて明らかになったところです。

(引用元:国土交通省「上下水道施設の耐震化状況に関する緊急点検結果」)


国土交通省が2024年11月に実施した「上下水道施設の耐震化状況に関する緊急点検結果」によると、避難所や災害拠点病院などの重要施設への給水ルートにおいて、上下水道管がともに耐震化されているのは全国でわずか15%(全国の重要施設およそ2万5000か所のうち、3,600か所余り)にとどまっています。
水道システムの「急所施設」についても、取水施設の耐震化率は46%、浄水施設は43%、配水池は67%と低水準であり、これらの水道施設をつなぐ管路の耐震化率も場所によって34%から72%とばらつきが見られます。


また、約16万km(約22%)の管路が法定耐用年数を超えており、現状の手法では経年管の点検・維持・修繕を実施するには、多額の費用を要するうえに、広域、かつ、短期間で行うことは困難とされています。さらに今後は、少子高齢化・人口減少により料金収入や職員数の減少が見込まれるため、問題は深刻さを増す一方です。

(出典:国土交通省「上下水道施設の耐震化状況に関する緊急点検結果」、日本水道協会「水道統計」)

 

内閣府が推進する新たな「水循環基本計画」との連携

2024年8月30日、首相官邸で開催された水循環政策本部会合(第7回)において、新たな「水循環基本計画」が閣議決定されました。本計画では、水道インフラの耐震化や代替性・多重性の確保、上下水道の一体的な再構築、官民連携による事業の効率化・高度化などが重点的な取り組みとして掲げられています。特に、地震などの災害に備えた上下水道の耐震化や、持続可能な水道システムの再構築が求められています。


能登半島地震での教訓を踏まえ、本計画では水インフラの耐震化や地下水の活用による代替性・多重性の確保など、平常時からの備えの重要性が示されています。また、水道行政の国土交通省、および、環境省への移管を契機として、上下水道一体での施設等再編や官民連携による事業の効率化・高度化が進められています。この中で、衛星データを活用した漏水検知の支援や、AI・IoT技術の導入によるメンテナンスの効率化など、水道DXの推進が打ち出されています。


さらに、本計画では2050年カーボンニュートラル等に向けた地球温暖化対策の推進として、官民連携による水力発電の最大化、上下水道施設等施設配置の最適化による省エネルギー化なども取り上げられています。


天地人の新サービスは、「上下水道施設の耐震化状況に関する緊急点検結果」と、この新たな「水循環基本計画」の方針に沿った機能追加となります。

 

「天地人コンパス 宇宙水道局」の新機能について

新機能その1:地域特性に応じた水道管の管路の更新計画策定を支援する機能

業界で標準的に用いられるアセットマネジメント手法及びリスク管理手法に基づき、水道管路の現状を評価することで、管路更新計画の策定を支援します。健全度重要度の評価結果をもとに、複数の更新優先シナリオを作成します。平時の漏水リスクを重視するシナリオや、災害時の社会的影響を重視するシナリオなど、地域課題や目的に応じた柔軟な設定が可能です。環境の変動を考慮したシナリオを通じて、各管路の更新優先順位を合理的かつ透明性をもって決定することで、信頼性の高い計画の立案を支援します。

 

 

管路の健全度評価

健全度評価では、漏水リスク診断結果に基づき水道管路の状態を評価します。これまで提供してきた「天地人コンパス 宇宙水道局」のメッシュ単位の漏水リスク評価を発展させ、管路ごとに健全度をクラス分けします。

健全度評価における天地人の強み

① 進化し続ける天地人の独自AI

宇宙水道局はサービス提供開始から1年半で、20を超える自治体様に採用いただいています(2024年11月現在)。これまで分析した管路の総延長距離は地球2周分にあたる約80,000キロメートル、学習した漏水件数は56,000件を超え、水道管の漏水リスク(逆に見れば健全度)を分析する弊社の独自AIは着実に進化を遂げています。

② 宇宙ビッグデータの広域性と継続性

宇宙ビッグデータをAIに取り込むことで、現在から近未来を考慮した健全度評価を行います。天地人では光学、SAR等、複数種類の衛星を自在に使いこなします。

 

管路の重要度評価

重要度評価では、管路に生じた事故や障害による断水が地域社会や給水施設に与える影響の大きさ、つまりその管路の社会的・経済的重要性を評価します。一般住宅から重要給水施設(病院、避難所など)まで、あらゆる施設や暮らしへの影響を包括的に考慮し、管路ごとの重要度をクラス分けします。

重要度評価における天地人の強み

① あらゆる給水対象を網羅

一般住宅から病院、避難所、公共施設まで、あらゆる給水対象を包括的にカバーしています。これにより、施設ごとの特性や重要性を考慮し、公平かつ一貫性のある定量的な評価が可能となります。

② 評価基準の透明性

社会的重要性、水供給量、代替可能性といった要素に対して明確な評価基準を採用します。分析結果は、誰もが納得できる形で提示され、透明性の高い意思決定をサポートします。自治体や関係者との合意形成がスムーズに進むだけでなく、客観性に裏付けられた計画立案が可能です。

 

新機能その2:ユーザーニーズに特化した宇宙ビッグデータ活用機能群

天地人では、特性の異なる多数の人工衛星を長期間に渡って取得・分析が可能です。こうした宇宙ビッグデータの強みを生かしつつ、お客様のご要望を踏まえて宇宙水道局では以下の2つの新機能を追加します。


タイムトラベル機能

本機能により現在から過去にさかのぼって街の変遷を閲覧できるようになります。そうすることで、水道管の敷設年と併せて当時の時代背景(街の状況、広がり、建設環境等)について考察したいという自治体様のニーズに応えます。本機能では1960年頃から現在までの写真を実装しています。

 

ジオアナライザー機能

様々な種類の人工衛星を活用しつつ任意の場所について、その地域に固有の特性をレーダーチャートで表示できるようになります。地域特性を把握することで、管路更新計画立案時、音聴調査計画時、漏水発見時等、水道事業における様々な活動(もしくは、場面)に対して、宇宙からの示唆を提供します。

 

これからの「天地人コンパス 宇宙水道局」について

「天地人コンパス 宇宙水道局」は、水道事業を持続可能な社会システムとして機能させ次世代へ継承するための、衛星データとAI技術を活用したクラウド型の水道DXサービスです。現在は、漏水リスクの診断機能と、点検・修理などの記録管理を支援する機能を提供しています。2025年春からは、地域特性に応じた管路更新計画の策定を支援する機能と、ユーザーニーズに特化した宇宙ビッグデータ活用機能を順次提供する予定です。

2025年春以降に追加する新機能は、「天地人コンパス 宇宙水道局 管路更新課(仮称)」としてサービス提供を開始します。これに伴い、既存のサービスは「天地人コンパス 宇宙水道局 維持管理課(仮称)」としてリニューアルいたします。

 

 

天地人コンパス 宇宙水道局 維持管理課(仮称)について

電子化された給水台帳や配水管図と連携し、5段階評価の漏水リスクを一元管理。直感的で操作が簡単なインターフェースで、リアルタイムでデータを確認し、迅速な漏水検出と修理計画の立案を支援します。日常的に漏水地点を登録・管理することで、蓄積した漏水データを基にAIが漏水リスクを再評価(精度向上が期待)することも可能です。2022年度に行った、内閣府の実証事業である豊田市との実証実験や他自治体へのヒアリングを通して、点検費用は最大65%、調査期間が最大85%削減が期待できるとされています。

  1. 人工衛星データの活用複数の人工衛星から膨大なビッグデータを取得、気候変動の影響も踏まえた漏水リスクを事業体ごとにご提案します。
  2. AIによる漏水リスク評価複数の人工衛星が観測したデータやオープンデータ、劣化・腐食要因や漏水発生情報等から機械学習(AI)を用いて統計学的に解析することで、評価精度を向上しています。
  3. 評価内容の確認・管理「天地人コンパス 宇宙水道局」での評価内容を、モバイルPCによっていつでもどこでも確認可能です。現場での漏水調査の結果の入力・管理も可能となります。
  4. 検証・課題抽出漏水調査結果や市民からの通報内容をナレッジ情報として図面上に保存・印刷できます。また、AIに学習させることで解析精度を高めることが期待できます。

■会社概要

会社名:株式会社 天地人

所在地:東京都中央区日本橋1丁目4−1日本橋一丁目三井ビルディング5階

代表者:代表取締役 櫻庭 康人

事業内容:衛星データを使った土地評価コンサル

X:https://twitter.com/tenchijin_pr

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/tenchijin/


<本件に関するお問い合わせ先>

漏水事業担当:白坂・上村・伊藤

お問合せ窓口:info-compass@tenchijin.co.jp

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